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| ジャンル | 2 |
| 記事タイトル大 | 株主代表訴訟の実態と対策 |
| 記事タイトル中 | ◆多くなった訴訟と時代背景◆ |
| 記事タイトル小 | |
| 著作者 | |
| 記事内容 |
企業不祥事の発生を契機に、危機管理的な視点からアカウンタビリティ(説明責任)やコーポレート・ガバナンス(企業統治)の問題が取り上げられ、積極的なディスクロージャーの必要性も叫ばれている。 そうした中で各方面から関心が高まっている株主代表訴訟は、非常に今日的な問題の一つとなっている。 経営の点検の意味で、弁護士・日本危機管理学会理事の菅原哲朗氏の研究報告をインターネット版から抜粋ご紹介する。 株主代表訴訟の今日的意義 株主代表訴訟は、会社が役員の責任追及訴訟を怠っている時、一株主が全株主を代表して、会社のために、ルールに違反して企業に損害を与えた役員に対し、法的責任を追及し損害賠償請求を行う制度である。 この法制度においては(1)企業の被った損害を現実的に回復する損害回復機能(2)企業における違法行為の抑制機能(3)企業経営が健全に発展するための健全性確保機能が期待されている。 この株主代表訴訟制度が導入された昭和25年以降平成4年までの42年間に提訴された株主代表訴訟の累計は31件にしか過ぎなかったが、平成5年の訴訟手数料引下げが一つの契機となり、同年に84件、翌平成6年には一気に145件と増大した。 その後も、バブル経済崩壊過程での社会批判を反映し、件数は増加の一途を辿っている。 従来の、個人責任を問わず協調を旨とする日本型企業がバブル崩壊の中で徐々に変容し、株主の関心も遵法精神や社会責任等に向けられる時代になってきたといえる。 裁判上の争点 実際に株主代表訴訟を行う場合、裁判上での争点となるのは、まず担保提供制度と「悪意」の認定の問題。 担保提供制度は、株主権を乱用し、不当な利益目的で代表訴訟を利用する、いわゆる会社荒らしに対抗するために設けられた規定で、悪意で提訴されたと認定された場合、担保提供を求められる。 これについては、担保提供制度を広く解した東京地裁の判例(蛇の目ミシン工業事件)や、狭い解釈をした大阪高裁の判例(ミドリ十字事件)が出るなど、はっきりとしない状況になっている。 他の争点としては、経営判断の原則などがある。 これはアメリカで発生した理論で、リスクの完全な「予見可能性」「回避可能性」を要求することは取締役に過酷な結果責任を負わせることになるという意味である。 法リスク管理のための対策 企業秘密を保護するのは当然ながら、企業経営の健全化を図るための情報開示は時代の流れである。 株主に対する情報開示の結果、権利濫用的な株主代表訴訟が生じる危険性に不安を感じるのは無理からぬことだが、企業経営の透明化こそが不祥事の発生を予防する対策の重点であることを理解すべきであろう。 他方、過酷なまでに取締役の個人責任を追及する現在の株主代表訴訟の形態を、法改正で縮小させることが望ましいと思われる。 (詳細は、「ディスクロージャー研究9号」99年3月発行に掲載)
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